東京外国語大学言語モジュール

動詞 (25) 命令形 (2) 相手との関係が近い場合の命令

命令形 (2) 相手を tum で呼ぶ場合
 
相手を tum で呼ぶ場合は、āp で呼ぶ場合に比べて、相手との距離がより近くなります。具体的には、夫婦や、仲のいい友人通しなどです。初対面の人に対しては用いない代名詞です。
 
この場合の命令形は、動詞語幹に -o を付加して作ります。以下に例を示します。ごく一部の動詞を除いて、ほぼすべての動詞が、規則どおりに変化します。
 
不定詞 命令形2
دیکھنا دیکھو
dekʰnā dekʰo

動詞語幹が母音で終わる場合、表記の際に「ハムザ」が用いられます。
 
 
不定詞 命令形2
کھانا کھاؤ
kʰānā kʰāo

 
以下の動詞は、相手を āp で呼ぶ場合には不規則変化をしましたが、相手を tum で呼ぶ場合には、ほとんどが規則的な変化をします。
 
不定詞 命令形2
کرنا کرو
karnā karo
دینا دو
denā do
لینا لو
lenā lo
پینا پیؤ
pīnā pīo
سینا سیؤ
sīnā sīo

 上記でわかるとおり、不規則変化をするのは denā、 lenāの2つだけです。
 
 この形の否定には否定辞が2種類あります。 mat を用いる方が、より強い否定になります。通常の否定は、 na を用います。どちらも原則として動詞の直前に置きます。
(71/a)کل تک یہ کام کرو ۔
(明日までにこの仕事をしなさい。)
[kal tak ye kām karo. ]
(71/b)یہ دو دو دے دو-
(これを2つずつくれたまえ。)
[ye do do de do. ]
(71/c)جلدی اِس کمرے کی صفائی کرو ۔
(急いでこの部屋を掃除しなさい。)
[jaldī is kamre kī ṣafāī karo. ]
(71/d)خوب کھاؤ ۔
(たくさん食べなさい。)
[xūb kʰāo. ]
(71/e)مشکل ہو تو اُس سے پوچھو ۔
(難しければ、彼(彼女)に尋ねなさい。)
[muškil ho to us se pūcʰo. ]
(71/f)وہاں دوبارہ مت جاؤ ۔
(そこには2度と行くな。)
[wahā̃ dobārah mat jāo. ]
(71/g)دیر تک ٹی وی نہ دیکھو ۔
(遅くまでテレビを見るな。)
[der tak ṭī vī na dekʰo. ]