東京外国語大学言語モジュール

動詞 (24) 命令形 (1) 丁寧な命令

命令形 (1) 相手を āp で呼ぶ場合の命令形
 
最も使用頻度が高い形です。多くの場合、動詞語幹に -iye という語尾を付加します。一部の動詞では不規則な形が現れます。以下に変化の例を示します。
 
「~しないでください」という否定の場合には、動詞の直前に na という否定辞を置きます。nahī̃
 は用いません。
 
まず、規則的な変化をする動詞です。ほとんどの動詞はこの規則に従って命令形を導き出すことができます。
不定詞 命令形1
دیکھنا دیکھیے
dekʰnā (見る) dekʰiye

動詞語幹が母音で終わる場合、発音上は規則どおりですが、表記する際に「ハムザ」を加える必要があります。
不定詞 命令形1
کھانا کھائیے
kʰānā (食べる) kʰāiye

以下の6つの動詞は不規則な変化をします。
 
不定詞 命令形1
کرنا کیجیے
karnā (する) kījiye
دینا دیجیے
denā (与える) dījiye
لینا لیجیے
lenā (取る) lījiye
پینا پیجیے
pīnā (飲む) pījiye
سینا سیجیے
sīnā (縫う) sījiye
ہونا ہوجیے
honā (ある、なる) hojiye

(注)最後のho という動詞の命令形は、実際には、hojiye (~あってください)という形が現れることはほとんどなく、 ho jāiye (ho jā)という形が用いられます。 
ذرا یہ دیکھیے ۔
(ちょっとこれを見てください。)
[z̠arā ye dekʰiye. ]
(70/a)یہاں اپنا نام لکھیے ۔
(ここに、自分の名前を書いてください。)
[yahā̃ apnā nām likʰiye.]
(70/b)آپ یہ صفحہ پڑھیے ۔
((あなたは)このページを読んでください。)
[āp ye ṣufḥah paṛʰiye. ]
(70/c)اندر آئیے ۔
(中へ入ってください。)
[andar āiye. ]
(70/d)اِس میز پر کچھ نہ رکھیے ۔
(この机の上には、何も置かないでください。)
[is mez par kucʰ na rakʰiye.]
(70/e)معاف کیجیے ۔
(すみません。ごめんなさい。(謝る際に用いる))
[muāf kījiye. ]
(70/f)پہلے یہ چائے پیجیے ۔
(まずは、このお茶を飲んでください。)
[pahle ye cāe pījiye.]
(70/g)تشریف رکھیے ۔
(どうぞお掛けください(どうぞお座りください)。)
[tašrīf rakʰiye. ]
(70/h)لیجیے ۔
(どうぞ。(人にものや食事などを勧めるときに用いる))
[lījiye. ]
(70/i)سنیے ۔
(すみません。(人の注意をひきつける場合、人を呼びとめる場合に用いる))
[suniye.]
依頼形
 
上記の命令形の後ろにgā (不変化詞)を付加することにより、丁寧な依頼形になります。
否定文の場合は、上記命令形と同様、 na を動詞の直前に置き、「~しないでくれませんか」という意味になります。
(70/j)ہمارے ساتھ دفتر جائیے گا ۔
(私たちと一緒に、事務所へ行ってもらえませんか。)
[hamāre sātʰ daftar jāiye gā. ]
(70/k)تھوڑی سی اونچی آواز سے پڑھیے گا ۔
(少し大きな声で読んでくれませんか。)
[tʰoṛī sī ūncī āwāz se paṛʰiye gā.]
(70/l) کھڑکی بند کیجیے گا ۔
(窓を閉めてもらえませんか。)
[kʰiṛkī band kījiye gā. ]
(70/m)آپ یہاں میرا انتظار کیجیے گا ۔
(あなたは、ここで私を待っていてもらえませんか。)
[āp yahā̃ merā intiz̤ār kījiye gā. ]
(70/n)کل صبح دوبارہ فون کیجیے گا ۔
(明日朝、もう一度電話をしてくれませんか。)
[kal ṣubaḥ dobārah fon kījiye gā. ]
(70/o)آپ ہمیں نہ چھوڑیے گا ۔
(あなたは、私たちを見放さないでくれませんか。)
[āp hamẽ na cʰoṛiye gā.]