東京外国語大学言語モジュール

動詞 (15) 一般動詞+補助動詞 (1) 不定詞+補助動詞

一般動詞不定詞+補助動詞 (1)
 
「~したい」: 補助動詞として、چاہنا (cāhnā) を用います。一般動詞の部分は不定詞なので主語の性や数による変化はありません。 cāhnā の部分が、変化します。例文で確認してください。 

55-1.一般動詞不定詞+補助動詞(1)

(55/a)اگلے سال میں پاکستان جانا چاہتی ہوں ۔
(来年、私はパキスタンへ行きたいんです。)
[agle sāl mãĩ pākistān jānā cāhtī hū̃. ]
(55/b)ہم اردو کے ساتھ پنجابی بھی سیکھنا چاہتے ہیں ۔
(私たちは、ウルドゥー語とともに、パンジャービー語も学びたい。)
[ham urdū ke sātʰ panjābī bʰī sīkʰnā cāhte hãĩ.]
一般動詞不定詞+補助動詞 (2)
 
 ここで扱う補助動詞では、その一般動詞不定詞の語尾に -ne (男性複数形)を用います。その点で(1)とは異なります。以下のような表現に用います。以下のような構文では、3つの補助動詞は、本来の辞書的を意味は持ちません。実際の用例は、例文で確認しましょう。
 
 pānā については、動詞語幹を伴う形もあり、どちらの表現でも意味に差はないと言われています。ウルドゥー語では、pānā を用いる構文は「~できない」という否定文に多用されます。
 
「~し始める」:لگنا (lagnā)
「~できる、できない」:پانا (pānā)
「~させる」:دینا (denā)

55-2.一般動詞不定詞 -ne 形+補助動詞

(55/c)ٹرین چلنے لگی ۔
(列車が動き始めた。)
[ṭren calne lagī. ]
(55/d)اچانک بارش ہونے لگی ۔
(突然、雨が降り始めた。)
[acānak bāriš hone lagī. ]
(55/e)ہم یہ کام نہیں کر پائے ۔ ‏(‏ہم یہ کام نہیں کرنے پائے ۔)‏
(我々には、この仕事はできなかった。)
[ham ye kām nahī̃ kar pāe. (ham ye kām nahī̃ karne pāe.) ]
(55/f)میں وہ سامان اٹھا نہیں سکا، کیوں کہ بہت ہی بھاری تھا ۔ ‏(‏میں وہ سامان اٹھانے نہیں پایا، کیوں کہ بہت ہی بھاری تھا ۔‏)
(私は、その荷物を持ち上げられなかった。と言うのもそれはとても重かったのだ。)
[mãĩ vo sāmān uṭʰā nahī̃ sakā, kyõ ke vo bahut hī bʰārī tʰā. (mãĩ vo sāmān uṭʰāne nahī̃ pāyā, kyõ ke vo bahut hī bʰārī tʰā.) ]
(55/g)مجھے بھی کچھ تو کہنے دیجیے ۔
(私にも、少しは話させてください。)
[mujʰe bʰī kucʰ to kahne dījiye. ]
(55/h)ہم نے اُنھیں لال قلعہ جانے دیا ۔
(私たちは、彼らを(行きたいというので)、ラール・キラへ行かせた。)
[ham ne unʰẽ lāl qilah jāne diyā.]
55/e の( )内の文章は、文法的には正しい文ですが、本モジュール録音担当の母語話者(カラーチー市出身男性、30代後半)によると、使われないという説明です。また、55/f の文に関しては、pānā を用いる文(( )内の文)では不自然であるということです。