東京外国語大学言語モジュール

動詞 (1) コピュラ動詞現在

コピュラ動詞(1) 現在
 
コピュラ動詞は、繋辞とも呼ばれます。英語のbe動詞に相当すると考えればわかりやすいと思います。不定詞形は ہونا (honā) です。もっとも不規則な変化をする動詞です。
コピュラ動詞は、主語の人称、性・数に応じた変化をします。また、現在、過去、未来という時制による変化があります。
コピュラ動詞は、単独で用いられると、「AはBである」という文となります。
また、それ以外にも、あとに出てくる一般動詞をともなって、いわゆる現在形や完了形などさまざまな動詞の相や、受動態などの態を作り出します。
 
本章では、単独で用いられる場合を学びます。
 
ピュラ動詞現在形
コピュラ動詞現在形は、主語の性による差がありません。
 
単数形
複数形
میں ہوں
ہم ہیں
一人称
mãĩ hū̃
ham hãĩ
マェン フーン
ハム ハェン
تو ہے
تم ہو ، آپ ہیں
二人称
tū hai
tum ho/ āp hãĩ
トゥー ハェ
トゥム ホー アープ ハェン
وہ ہے
وہ ہیں
三人称
vo hai
vo hãĩ
ヴォー ハェ
ヴォー ハェン
 
二人称に関する注意
人称代名詞の項でも説明しましたが、再度説明しておきます。
二人称複数形には、2つの形があります。
ウルドゥー語においては、通常2人称は単数でも複数でも、基本的に āp を用います。単数形に挙げられている tū は、アッラーに対して用いられ、日常会話などではまず用いられません。
また、 tum は、相手との関係がより親密な場合、たとえば、夫婦、兄弟、仲のいい友人どおしなどです。
したがって、ウルドゥー語を学んでいる日本人は、相手のことを1人でも2人でも通常は āp を用いることをお勧めします。相手がこちらを tum で呼びかけてきた場合は、こちらも相手を tum で呼びかけても差し支えありません。
 
相手のことを āp で呼ぶ場合は、動詞もすべて複数形となることに気を付けてください。


 
(41/a)میں جاپانی ہوں ۔
(私は、日本人です。)
[mãĩ jāpānī hū̃. ]
(41/b)ہم پاکستانی ہیں ۔
(我々は、パキスタン人です。)
[ham pākistānī hãĩ. ]
(41/c)وہ سندھی ہے ۔
(彼(彼女)は、スィンディーです。)
[vo sindʰī hai.]
(41/d)وہ پنجابی نہیں ہیں ۔
(彼ら(彼女ら)は、パンジャービーではありません。)
[vo panjābī nahī̃ hãĩ. ]
(41/e)کیا آپ چینی ہیں ؟
(あなた(あなた方)は、中国人ですか?)
[kyā āp cīnī hãĩ? ]
(41/f)کیا تم بھی ایرانی نہیں ہو؟
(君も、イラン人ではないのですか?)
[kyā tum bʰī īrānī nahī̃ ho? ]