所有形容詞は名詞の前が普通です.定冠詞が付くことがあります.
ポルトガルのポルトガル語では,所有詞は定冠詞とともに用いられるのが普通です。親族名称を表す名詞や慣用表現では定冠詞のない形もありますが,現代語では親族名称でも定冠詞をつける用法が一般化しています.
a sua mãe
(あなたの(彼の,彼女の,あなたがたの,彼らの,彼女たちの)お母さん)
Tua mãe vai gostar.
(お母さんが喜ぶよ)
ブラジルのポルトガル語では,話し言葉では,所有形容詞の前には定冠詞をおかないのが普通ですが,書き言葉になると定冠詞のついた形も多く見られます.
O nosso colégio está fechado. (P)
(私たちの学校は閉まっている)
Abriu a porta de sua residência. (B)
(彼の住居の扉が開いた)
形容詞と同じく,文の述語として用いられたり,名詞が省略されたりすることもあります.
Aquele carro é teu?
(あの車は君のですか?)
Aquele carro é o teu?
(あの車は君の(車)ですか?)
Acho que sim, a meu ver, a situação está a melhorar.
(そう思います,私の意見では,状況はよくなっています)
不定冠詞とともに,「~のうちのひとつ」という意味になることがあります.その場合,後置が普通です.
um seu inimigo mortal
(彼の致命的な敵の一人)
ポルトガルのポルトガル語は話し言葉でvossoをvocêsに対する所有形容詞として用いることがあります.
― Esta pesquisa é vossa?
(この研究は君たちのですか?)
― É nossa, é. O que é que achou?
(そう,私たちのです.どう思われます?)
所有表現のdele, dela, deles, delasは前置格の代名詞ele, ela,eles,elasが,前置詞のdeと結合したもので,名詞の後に置かれます.
os apontamentos dela
( 彼女のノート)
O último romance dele é uma porcaria.
(彼の最新の小説は駄作だ)
Está calor ou é impressão minha?
(暑いですか,それとも私の思いこみですか?)