東京外国語大学言語モジュール

Step47 : 能動態

次のような2つの項を持つ典型的な「他動詞構文」を考えます。典型的な他動詞とは,動作主が意図的になんらかの動作を行ない,動作の受け手がその動作によって具体的な影響を受けるような場合を言います。たとえば「ご飯を食べる」場合,食べられたご飯は,動作の結果,なくなってしまうため,具体的な影響を受けています。
「花子が太郎をしかった」
この場合,文の主語を「花子が」と考えると,この主語は,この文において,動作を行なう「動作主」という意味役割を担っています。
このように典型的な他動詞構文では,主語の意味役割は動作主であるのが一般的です。このような場合,「主語=動作主」であり,「能動態」と呼ばれます。能動態は「無標」の構文にあたります。