東京外国語大学言語モジュール

句と文の構成

文が発音されるときの音波は,虹の色彩のように,はっきりとした区切りのない連続体ですから,( )で示したような句のまとまりを表現する手段が,言語によって用意されています。
たとえば,日本語では,「焼き」(アクセントは低高)+「さかな」(低高高)が複合語になると,「ヤキザカナ」(低高高低低)となり,さらに「サカナ」→「... ザカナ」と濁音になることで,これが「サカナ」という一語ではなく,複合語の後ろの部分であること,「サカナ」(低高高)と「...ザカナ」(高低低)では,後者が複合アクセント(東京方言においては,長い複合語は,単語の後ろから2番目のところから低く発音する)規則に従っているため,アクセントが違うことが複合語のまとまりを示す信号となっています。