東京外国語大学言語モジュール

存在と所在の表現

「存在」も,自然現象と同じで,誰かの行為の結果として事物が存在するようになったわけではありません。存在するモノと,存在する場所とが表現されれば十分なはずです。この意味で,「存在表現は,存在に関係する関与者が一つ」であると考えられるかもしれません。
言語によっては存在を表すのに特別な構文(仮の主語を立てる,語順を変えるなど)を用意しています。
あるモノがあるかないかという「存在」と,それがどこにあるかという「所在」を区別する言語があります。たとえば,ある会社に田中さんという人が所属しているかどうかは「存在」に関わることですが,さらに,ある日時に田中さんが出社しているかどうかは「所在」に関わることです。