東京外国語大学言語モジュール

重要な動詞と表現

ある出来事が文として表現されるときに,その出来事にモノ(関与者)がどのように関わるかということに注目してみましょう。たとえば自然現象は,それに主体的に関わる関与者があるわけではありません。存在の表現は,関与者であるモノの存在そのものを表現し,さらにはそれが具体物であればどこに存在するかを表す表現です。
物事を判断したり,知覚したり,感情を持ったりするのは,理性を持つヒトに典型的に生じる出来事です,したがって,思考,知覚,感情の表現には,典型的にはヒトが関与者として関わりますが,同時にこれらの出来事は,ヒトが能動的行為として行なう具体的な動作というよりも,外的な刺激に対する受動的な反応という面が共通して見られるでしょう。この意味で,これらの動詞は意志的・能動的動作とは異なる文法的な表現とともに用いられることが多いのです。