東京外国語大学言語モジュール

Step3 : 仮定文(その2)―実際には起こり得ない仮定

現在の事実に反する仮定
(1) Enfin, si je le savais, je ne serais pas ici !
(でも、もし知っていれば、ここにはいませんよ!)
(2) Laissez-moi vos coordonnées. Comme ça, si je la trouvais, je vous appellerais.
(では連絡先を残しておいてください。もし見つかれば、お電話しますから)
ともに<Si+半過去形、条件法現在形>となります。文脈からすると、(1)では「知っている」可能性は、ほぼゼロでしょうが、(2)では「見つかる」可能性がないわけではありません。可能性は、(1)と(2)で違っていますが、いずれも「現在の事実に反する仮定」という点で共通しています。
過去の事実に反する仮定
 
過去の事実に反する仮定は、多くの場合<Si+直説法大過去形~、条件法過去形>によって表されます。条件法過去形とは、<avoirあるいはêtreの条件法現在形+動詞の過去分詞>のことを言います。

aimer

j'aurais aimé, tu aurais aimé, il aurait aimé, nous aurions aimé, vous auriez aimé, ils auraient aimé

aller

je serais allé(e), tu serais allé(e), il serait allé, elle serait allée, nous serions allé(e)s, vous seriez allé(es), ils seraient allés, elles seraient allées
S'il n'avait pas plu, on aurait joué au tennis.
(雨が降らなかったら、テニスをしたのに)
Si nous avions été plus riches, nous aurions acheté un plus grand appartement.
(もっとお金持ちだったら、もっと大きいアパルトマンを買っていたのに)
過去の事実に反する仮定では、結果としてそれが実現できなかったことからくる、残念や後悔などのニュアンスが表現されます。また、仮定の部分がいつもsi ~で表されるとは限らないので注意が必要です。
À votre place, j'aurais choisi cette cravate.
(もし私があなただったら、こちらのネクタイを選んだでしょう)