東京外国語大学言語モジュール

ジェロンディフ

ジェロンディフには3つの用法があります。

時間・様態

(1) En sortant du métro, j'ai rencontré Monique.
(地下鉄を出てくると、モニックに会った。)
(1)のジェロンディフは、「時間・様態」を表し、「~するとき」とか「~しながら」と訳すとよいでしょう。さらに2つ例文をあげておきましょう。
(2) Gérard fait ses devoirs en écoutant son CD préféré.
(ジェラールは好きなCDを聴きながら宿題をする。)
(3) On boit du vin blanc en mangeant du poisson.
(魚を食べるときは白ワインを飲みます。)
では2番目の用法の説明に移りましょう。

手段・条件

(4) En prenant le taxi, il ne sera pas en retard.
(タクシーに乗れば、彼は遅れることはないでしょう。)
このジェロンディフは、「手段・条件」を表しており、「~することで」とか「~すれば」と訳すのが適当です。次の2つの例文を見てください。
(5) - Comment avez-vous appris le français? - En suivant des cours de TUFS G-Module.
(あなたはどうやってフランス語学びましたか? TUFS G-Module(文法モジュール)を受講してです。)
(6) En travaillant dans cette usine, il pourra gagner beaucoup d'argent.
(この工場で働けば、彼はたくさんお金を稼ぐことができるだろう。)

対立・譲歩

(7) Il a quitté son travail, tout en sachant qu'il serait au chômage.
(彼は失業することをじゅうぶん知りながら、仕事をやめた。)
このジェロンディフは「対立・譲歩」を表すと言われます。「~する一方」あるいは「~ではあるが」と訳すとよいでしょう。
(8) Christine reste mince tout en adorant les desserts.
(クリスティーヌはデザートが大好きなのに痩せている。)
(9) Elle est venue au bureau, tout en étant malade.
(病気なのに彼女は出社してきた。)
上の例からわかる、ジェロンディフの特徴をあげてみましょう。
① ジェロンディフの意味上の主語は、文の主語と同一人物になります。
② ジェロンディフ自体は時を表さず、時制は文全体によって決まります。
③ ジェロンディフは文頭あるいは主文の後に置かれるのが一般的です。
現在分詞形だけでもジェロンディフと同じような働きをすることがありますが、これは書きことばの特徴です。
(10) Prenant souvent l'avion, il connaît parfaitement l'aéroport.
(飛行機によく乗るため、彼は空港のことが完璧にわかっている。)