東京外国語大学言語モジュール

3人称複数による不定人称文

3人称複数による不定人称文
 動詞の3人称複数形は,誰だかはっきりしない第三者を表します.se不定人称文と違い「話し手・聞き手」は含まれません.この3人称複数の不定人称文では,動詞を se不定人称に置き換えることはできません.
(1a)Llaman a la puerta. (× Se llama a la puerta.)
((戸口でベルが鳴ったり,ノックの音がするのを聞いて)誰か来たよ.)
(1b)Me han robado la cámara. (× Se me ha robado la cámara.)
(カメラを盗まれた.)
(1c)En los exámenes me han suspendido en dos asignaturas. (× En los exámenes se me ha suspendido en ...)
(試験で2科目を落とした.)
 se不定人称文は誰にでも当てはまる一般論を述べるのに対して,3人称複数による不定人称文はあくまで1,2人称(話し手と聞き手)を除いた第三者のことだけを表します.
 したがって,私たち日本人が次のような文を使うと変な感じがします.
(2a)Comen mucho arroz en Japón.
(日本では米をよく食べる.)
 ですが,外国人が日本の説明として使うのならOKです.
 これに対して,次のような se  を使った文では,日本人であれ,外国人であれ,誰が用いても問題がないのです.
 
    Se come mucho arroz en Japón. 日本では米をよく食べる.