東京外国語大学言語モジュール

002: 動詞の現在人称変化 (2)

 家族,親戚,友達などに対しては親称の du/ihr を使います。若者同士や学生同士などは初対面でも du/ihr で話します。敬称のSie は特に親しくない相手,言いかえれば,社会的に一定の距離を置く相手に対する言い方です。最初は Sie で話していても,親しみを感じて「du にしようよ」と片方が持ちかけたら,それから後はお互いに du で話すようになります。また,親称と敬称の使い分けは原則として相互的です。つまり,親が子に対して du と言えば,子も親に対して du と言います。
reden (語る) や arbeiten (働く) のように,語幹が -d や -t などで終わる動詞は,語尾 -st と -t の前に e を入れます。同じ子音や似ている子音の重複をさけて発音しやすく,また聞き取りやすくするわけです。
arbeiten (働く) ⇒ du arbeitest (君は働く),ihr arbeitet (君たちは働く)
reden (語る) ⇒ du redest (君は語る),ihr redet (君たちは語る)
reisen (旅行する),heißen (~という名前だ),tanzen(踊る) のように語幹が -s,-ß,-z などで終わる動詞は,du の語尾を -st ではなく -t にします。
reisen (旅行する) ⇒ du reist (君は旅行する)
heißen (~という名前だ) ⇒ du heißt (君は~という名前だ)
tanzen (踊る) ⇒ du tanzt (君は踊る)