事情説明の表現
文が表す内容を聞き手に対して説明しようという話し手の意図を表すのが事情説明の表現です。日本語では、多くの場合「~んですが」・「~んですよ」に相当します。
事情説明の表現は、次のような助詞及び文末形式によって表されます。→【発音と正書法上の注意】
байхгүй юү は、ややくだけたスタイルで用いられます。この形式はふだんの会話ではきわめてよく使われる表現で、過度の濫用は卑俗な印象を与えますが、使いこなすことによって生き生きとした発話になります。なお、存在動詞の否定質問文という元の意味はまったくありません。
これらの表現のあとにはさらに何らかの説明が続くのがふつうです。
Манайх ноднин хотод нүүж ирсэн юм. Тэгээд… うちは去年首都に引っ越してきたんですよ。それで…
Өчигдөр Паспортын газар Дүүрэнжаргалтай тааралдсан байхгүй юү. Тэгсэн чинь…. 昨日旅券センターでドゥーレンジャルガルと出くわしたんですよ。そうしたら…
байхгүй юү は、さらにくだけたスタイルでは、実際のテンスにかかわらず次のような形になります。この場合、述語のテンスが実際にどうなのかは文脈で判断するほかありません。
Өчигдөр Паспортын газар Дүүрэнжаргалтай тааралдахгүй юү. Тэгсэн чинь…. 昨日旅券センターでドゥーレンジャルガルと出くわしたんですよ。そうしたら…
【発音と正書法上の注意】
● 終助詞 юм は、アナウンサーや語学教材などでとくに丁寧に発音するとき以外、綴りで書くと ийм という形に縮約されたうえ、前の形動詞形語尾に融合します。元々正式の綴りではないので、男性語にも同じ形で表記します。
綴り явсан юм→ 実際の発音 явсийм
綴り явдаг юм→ 実際の発音 явдгийм
綴り явах юм→ 実際の発音 явхийм
● 文末形式 байхгүй юү は、字句どおりの否定質問文のときとは異なり、語幹 бай- ではなく、-гүй の部分にピッチが移動します。