東京外国語大学言語モジュール

　以下の疑問詞は名詞または形容詞として用いられるものです。そのため、一般の名詞と同じように主語・目的語などになったり、一般の形容詞のように名詞を修飾することができます。

　ベトナム語では、疑問詞を使うことによって、英語に見られるような文の倒置は起こりません。

　"gì" は単独で「何」という名詞として用いられるほか、他の名詞にくっついて「どの」「どんな」という意味の形容詞としても用いることができます。名詞扱いなので、前置詞の後ろにつけて用いることもできます。

　"cái gì" は "gì" に無生物を表す類別詞（→ [017 類別詞] 参照）である "cái" をつけたもので、名詞的にのみ用いられます。"gì" のように、形容詞的に用いることはできません。

　また、「なにをしますか」「なんと言いましたか」のように、物体ではない「なに」としては使うことができません。

　"cái gì" とは逆に、 "nào" は形容詞的にのみ用いることができます。広くいろいろな名詞と結びつくことができ、いくつかの疑問詞がこれをもとに作られています。

 

	người nào （どの人）	nước nào （どの国）	loại nào （どの種類）
	thế nào （どのような）	khi nào （いつ）

 

（時間の疑問詞 "khi nào" は「時間表現」の項目でより詳しく扱っています。）

　"đâu" は「どこ」という場所を表す表現です。名詞的に用いられますが、特に "ở （～に、～で）" とともによく用いられます。

　"ai" は名詞的にのみ用いられます。文章の内容によって主語にも述語にもなるほか、前置詞の後ろにつけて用いることもできます。

　以下の疑問詞は副詞的に用いられ、文章中の位置は常に文頭または文末に固定されています。

　"khi nào" はやや注意の必要な疑問詞で、副詞的に用いられます。文頭に置かれると未来を、文末に置かれると過去を表します。つまり、同じ文章でも khi nào のつく位置によって、以下のように内容が変わります。

　理由を問う疑問詞は常に文頭に置かれます。

　丁寧さの程度によって 3 種類の言い方があります。

　"vì sao" が一般的な言い方です。"tại sao" は硬い言い方で少しきつい感じがします。"sao" はくだけた言い方であり、目下に対してや友人など親しい間柄で使われます。