東京外国語大学言語モジュール

3.2.2.3. 接辞調和 (1/3)
(1)属格での例 
 トルコ語では、接辞の母音は、語幹の最終音節の母音に従って決められます。接辞は大きく狭母音と広(非狭)母音の2つのグループに分かれます。
狭母音: ı   i  u ü
広母音: a  e (o ö)
※ oとöは接辞調和に関わらない。
 このグループの中で、舌の調和と唇の調和が関わってきます。例えば、「~の」という意味(属格)を示す接辞は、接続する語幹の最終音節の母音に従って、狭母音グループで母音が決定されます。のどboğazにつく時は、最終音節のaに従って、舌の調和で後舌母音、唇の調和で非円唇母音となり、狭母音グループの中からıが選ばれます。肩omuzにつく時は、最終音節のuに従って、舌の調和で後舌母音、唇の調和で円唇母音となり、uが選ばれます。
以下に例を示しておきましょう。
のどの boğazın     庭の   bahçenin
腹の  karının      首相の başvekilin
駅の  istasyonun  湖の    gölün
肩の  omuzun     胸の    göğüsün
boğazın, bahçenin
karının, başvekilin
istasyonun, gölün
omuzun, göğüsün