東京外国語大学言語モジュール

動詞の命令形

命令形単数は、動詞の語幹そのまま(何も接尾辞を付けない形)である。
 
・動詞の命令形単数は、sen に対する命令を表す。語調により、強制的な命令にも
親しみを込めた誘いにもなる:「~しろ、~しなさい」。
 
・動詞の命令形複数は、siz に対する命令を表す。すなわち次の3つの場合である。
  (a) 複数の相手に対するぞんざいな命令:「君たちは~しろ」。
  (b) ひとりの相手に対する丁寧な命令:「あなたは~して下さい」。
  (c) 複数の相手に対する丁寧な命令:「あなた方は~して下さい」。
 
命令形複数は、語幹の最後の音が子音ならば語幹に-in/-ün/-ın/-unを付け、語幹の最後の音が母音ならば、語幹に-yin/-yün/-yın/-yunをつける。
語幹                 命令形単数              命令形複数
gel-                   Gel. 来い。              Gelin. 君たちは来い。 来て下さい。
otur-                  Otur. 座れ。            Oturun. 君たちは座れ。 お座り下さい。
bekle-               Bekle. 待て。          Bekleyin. 君たちは待て。 お待ち下さい。
oku-                  Oku. 読め。            Okuyun. 君たちは読め。 お読み下さい。
注意
1. 命令形複数の接尾辞には、アクセントの移動は起こらない。
2. git-「行く」、et-「~する」は語幹末の子音が有声化して、命令形複数 gidin,
 edin となる。
 
2人称の代名詞sen/sizや、相手に対する呼びかけと一緒に使うこともある。
Sen git.                      君が(は)行け。
Siz gidin.            君たちは行け。あなた(がた)行って下さい。
 
相手に動作をすすめる場合にはbuyurun「どうぞ」、相手に物事を頼む場合にはlütfen「どうか」と一緒に使うこともある。
Buyurun, oturun.                 どうぞ、お座り下さい。
Lütfen oturun.             どうか座って下さい。