東京外国語大学言語モジュール

形容詞的分詞(形容分詞、形動詞)(4)―受動分詞過去形

形容詞的分詞(4)-受動(形容詞的)分詞過去形(被動形動詞過去形)
 
      形容詞的分詞のなかでこの分詞だけが以下の特徴を持ちます.
1. 名詞を修飾する修飾語だけでなく, 文の述語としても用いられます.
2. 短語尾形があります.
 なお,受動分詞なので他動詞ではない-ся動詞からは作られません.
 
作り方
一般に完了体他動詞の不定詞語幹に-нный/-енный/-тыйをつけます.不定詞と
受動分詞過去形は多様な関係にありますが,おもに以下3つの場合に分かれます.
1) 不定詞 -ать/-ять/-етьの -ть を-нныйにする。
    ※力点は不定詞と一致、ただし、不定詞が-áть/-ятьの場合、一つ前の母音に移ります.
  
2) 不定詞が-еть/ -ить/ -ти /(-сть)/ (-зть) の時は現在一人称単数形の語幹に-енный/-ëнныйをつけます.
     ※ 歯音変化動詞,唇音変化動詞には注意が必要です.現在一人称単数形の場合と同様に-л-が挿入されたり,一定の音の交代が生じます.
    
-дитьに終わるものは-ждëнныйとなるのが普通です.
     力点は二人称単数の場合と同じが多いですが,不定詞が-йтиの場合、一つ前の母音に移ります.
 
3)単綴の不定詞-ить(-ыть)/-уть/-ереть/-еть/-олоть/-деть/-нять/-нутьの ~ть を-тыйにします.
   力点は過去男性単数形と一致、ただし不定詞が-нятьの場合、一つ前の母音に移ります.
     
2. 用法 
この形容詞的分詞は修飾語的な用法と述語的用法でよく用いられます.
1) 修飾語的な用法-名詞の性数格に応じた形をとります.変化はновыйと同じです.動作主「~によって」は具格(造格)によって表されます.
   
2) 述語的な用法-受身文→形容詞的分詞(5)-受動(形容詞的)過去分詞の用法