撥音節に現れる二重母音には-ai、-au、-ei、-ouの4種類があります。全体が鼻母音となります。
二重母音の主体は前にある母音の方で、後ろの母音は若干添えるような感じになります。日本語の「アイ」のように、「イ」がはっきりと明確に発音されるわけではありません。音声をよく聞いて、マネをするようにしてみてください。
1. -aiɴ
広口の母音[-ä]から狭口前舌母音[-ɪ]への二重母音です。なお下降調となるのは極めてまれです。
* 高平調の cʰáiɴ〈ချိုင်း〉についても、ほとんどのビルマ語話者「そんな単語はない」という。『ビルマ(ミャンマー)語辞典』(2000)には上記の意味が掲載されているが、“Myanmar-English Dictionary”(2019, 2nd edition)には掲載されていない。なお有声化したjáiɴ〈ချိုင်း〉「脇の下」はある。
2. -auɴ
広口の母音[-ä]から狭口後舌母音[-ʊ]への二重母音です。
3. -eiɴ
半狭口の前舌母音[-ë]から狭口後舌母音[-ɪ]への二重母音です。
4. -ouɴ
半狭口の後舌母音[-ö]から狭口後舌母音[-ʊ]への二重母音です。