東京外国語大学言語モジュール

補語のいろいろ

 「バナナを食う」の「バナナ」は「食う」の補語、「おばあさんをだます」の「おばあさん」は「だます」の補語です。
 この2つの文では、「バナナ」も「おばあさん」も日本語に訳すと「を」がつきます。
 
 しかし、カンボジア語の補語は、日本語で「を」がつくものばかりではありません。
 「日本に行く」の「日本」や、「家が恋しい」の「家」など、日本語では「に」や「が」をつけるものも、カンボジア語では補語になります。日本語の訳にとらわれないで、述語(動詞・形容詞)の意味を補うものが補語なのだと考えましょう。

1.行く+日本=日本に行く。
 「行く」だけではどこに行くのかわからなので「日本」という行き先を補っています。
2.恋しい+家=家が恋しい。
 「恋しい」だけでは何が恋しいのかわからないので「家」という対象を補っています。