東京外国語大学言語モジュール

Step1 : 普通形の体系

これだけは覚えよう
1 これまで、動詞は「Vます」「Vません」などの形で勉強してきました。これを丁寧形と言います。表1上側に主な動詞の活用を示しました。なお、表1、表2は「グループ1」「グループ2」「グループ3」と分けて示していますが、このグループ1・2・3の違いについては、「動詞の3種類 」でくわしく説明します。
2 動詞にはそのほかに「普通形」と呼ばれる形があります。表1の下側に主な動詞の活用を示してあります。
3 普通形は、親しい友人間の会話や、小説や日記・論文・レポートなどで使います。くわしくは「普通形と丁寧形」、「普通体」を見てください。
4 普通形は文の部分としても使われます。くわしくは「普通形と丁寧形」を見てください。
5 「ある」の常体の活用は、ほかのグループ1の動詞の活用と違うので注意が必要です。
6 「ある」の「ない形」、「行く」の「て形」と「た形」の活用はほかの動詞の活用と違うので注意が必要です。
7 表1・2の一番左にある語形を辞書形と言います。辞書の見出しに使われる形であり、またさまざまな活用形を作るときの基本になるので覚えてください。動詞の場合は、「普通形非過去肯定」の形と同じです。
8 よく使われる活用形の名を表2に示しました。まだ勉強していない形もありますが、これらは文の部分を作ったり、複雑な文末形式を作るときによく使います(表3参照)ので、この後のカードでもよく出てきます。そのときにこのカードを随時参照してください。
  辞書形(辞書の見出しになる形、すべてuで終わります。7参照)
  ます形(「ます」で終わる形)
  連用形(ます形から「ます」をとった形)
  ない形(普通形非過去否定の形)
  た形(普通形過去肯定の形)
  て形(た形の「た」を「て」に変えた形、043参照)
9 「ない形」の作り方は、以下のとおりです。
 
<グループ1>
  〇う
  〇わない
  かう
   かわない
 〇つ
 〇たない
 まつ
  またない
 〇る
 〇らない
 つくる
  つくらない
 〇ぬ
 〇なない
 しぬ
  しなない
 〇ぶ
 〇ばない
 あそぶ
  あそばない
 〇む
 〇まない
 よむ
  よまない
 〇く
 〇かない
 かく
  かかない
 〇ぐ
 〇がない
 およぐ
  およがない
 〇す
 〇さない
 はなす
  はなさない
 
<グループ2>
 〇る
 〇ない
 おきる
 たべる
  おきない
  たべない
 
<グループ3>
 する
 くる
 しない
 こない
 
 
¶グループ1は、辞書形の末字「u」を「anai」に置き換えて作りますが、「○う」型の「かう」「いう」「おもう」などは、「u」を「wanai」に置き換えるので注意してください。
10 「た形」の作り方は、以下のとおりです。なお、「○ぬ→○んだ」となる動詞は「死ぬ」だけです。
 
<グループ1>
〇う
〇つ
〇る
  
〇った
      かう
      まつ
      かえる
      かった
      まった
      かえった
〇ぬ
〇ぶ
〇む
〇んだ
     しぬ
     あそぶ
     よむ
     しんだ
     あそんだ
     よんだ
〇く
〇いた
      かく
      かいた
〇ぐ
〇いだ
     およぐ
     およいだ
〇す
〇した
      はなす
      はなした
 
<グループ2>
〇る
〇た
     おきる
     たべる
    おきた
    たべた
 
<グループ3>
する
くる
    した
    きた
 
 
¶ただし、「行く」は「○く」型の仲間ですが、「いいた」にはならず、「いった」になるので注意してください。