東京外国語大学言語モジュール

接続助詞

これだけは覚えよう
接続助詞は、述語となっている動詞・形容詞・名詞について、主節との意味関係を示します。複文については、別にくわしい説明があります(→「Vて(て形)」、「AくてA・NAでNA・NでN」~「VてVます」、「理由」~「譲歩」)。くわしくは、それらのカードを見てください。
 以下、助詞ごとに用法を説明します。
Ⅰ 「て」
1 伝統的には「助詞」の1つとされていますが、現代語では動詞との結びつきが強いので、動詞の変化形の1つ(て形)として教えることが多いです。
2 それ自体は主節(S2)と従属節(S1)の間を単純につなぐだけですが、結果としていろいろな意味を表わします。くわしくは「VてVます」を見てください。
また、ことがらを列挙するときにも使います。くわしくは「AくてA・NAでNA・NでN」、「VてVます」を見てください。
(13)象は大きくて鼻が長いです。(→「AくてA・NAでNA・NでN」)
(1)朝起きて顔を洗います。(→「VてVます」)
3 「動詞+て」の形(て形)は、さまざまな複合的な述語形式を構成します。くわしくは「Vて(て形)」を見てください。
 
Ⅱ 「ながら」
 S1の述語が運動動詞の場合には、S1とS2が同時並存の関係にあることを表わします。
(2)テレビを見ながらごはんを食べました。
¶S1が状態動詞の場合には、S1とS2が矛盾・対立の関係にあることを表わします。
(14)田中さんは、知っていながら知らないふりをしました。
Ⅲ 「たり」「し」
ことがらを列挙するときに使います。
(3)学校で勉強をしたり運動をしたりします。(→「Vたり、Vたりします」)
(15)今年の夏休みは、海にも行きましたし、山にも登りました。
¶このうち、「たり」は伝統的には「助詞」の1つとされていますが、現代語では動詞との結びつきが強いので、動詞の変化形の1つ(たり形)として教えることが多いです。
Ⅳ 「ので」「から」
S1がS2の原因・理由であることを表わします。くわしくは「理由」を見てください。
(5)雨が降ったので運動会が中止になりました。
(6)雨が降ったから運動会が中止になりました。
Ⅴ 「のに」「けれども」「が」
S1とS2が矛盾・対立の関係にあることを表わします。くわしくは「逆接」を見てください。
(7)雨が降ったのに運動会がありました。
(8)雨が降ったけれども運動会がありました。
Ⅵ 「と」
S1とS2が単純にその順番で起きたことを表わすほか、仮定条件を表わします。くわしくは「条件」を見てください。
(4)春になると暖かくなります。
(16)暗いところで本を読むと目が悪くなります。
Ⅶ 「ば」「たら」「なら」
仮に想定されるS1がS2成立の条件であることを表わします。くわしくは「条件」を見てください。
このうち、「ば」「たら」は伝統的には「助詞」の1つとされていますが、現代語では動詞との結びつきが強いので、動詞の変化形の1つ(ば形・たら形)として教えることが多いです。
(9)雨が降れば運動会を中止します。
(10)雨が降ったら運動会を中止します。
(11)雨が降るなら運動会を中止します。
Ⅷ 「ても」
英語のeven ifの表わす関係を表わします。くわしくは「譲歩」を見てください。
(12)雨が降っても運動会をします。