東京外国語大学言語モジュール

接尾辞 -kan (3): 具格的,便宜供与,集中的・強意

 接尾辞 -kan は他動詞の語幹を作るという文法的な機能を持ちます。意味的には接尾辞 -kan を伴うことにより、おおよそ以下の5つに分類できます。
【1】使役(~させる)
【2】《自動詞+前置詞》に並行的な他動詞
【3】具格的(……を使って~する)
【4】便宜供与(~してやる)
【5】集中的・強意

 ここでは、【3】~【5】の3つの用法を取り上げます。【3】の「具格的」とは、いわゆる目的語すなわち《動作対象》として道具を述べることにより「……(道具)を使って~する」という意味になります。【4】の「便宜供与」とは、「他の人のために~してやる」という意味になるもので、この使い方では《便宜を受ける人》と《動作対象》の2つの目的語をとることがあります。【5】の「集中的・強意」は、「注意して~する」などの意味になります。