東京外国語大学言語モジュール

接尾辞 -kan (2): 《自動詞+前置詞》に並行的な meN--kan 他動詞

 接尾辞 -kan は他動詞の語幹を作るという文法的な機能を持ちます。意味的には接尾辞 -kan を伴うことにより、おおよそ以下の5つに分類できます。
【1】使役(~させる)
【2】《自動詞+前置詞》に並行的な他動詞
【3】具格的(……を使って~する)
【4】便宜供与(~してやる)
【5】集中的・強意

 ここでは、【2】の「《自動詞+前置詞》に対応する他動詞」を取り上げます。意味的には《自動詞+前置詞》と同様になりますが、自動詞は《動作対象》を主語とした文を作ることができないのに対し、meN--kan 他動詞は3つの形を使い分けることにより、《動作主》を主語とする文も《動作対象(被動作主)》を主語とする文も作ることができます。