東京外国語大学言語モジュール

yang 節内の構造:他動詞の形

 yang「~の(もの/人/こと)」で導かれる節が名詞を修飾する場合、被修飾語となる名詞とyang に後続する語句は《主語》と《述語》の関係にあると言えます。
 「その本を買った人」では、被修飾語の「人」は「買う」という動作の《動作主》です。動作主の「人」が《主語》として述語の「買う」という動作に対応するので、yang 節内で meN- 形の membeli を使います。
 一方、「私の読んだ本」「彼の読んだ本」では、「本」が被修飾語となりますが、これは「読む」という動作から見ると《動作対象》に当たります。《動作対象》の「本」が《主語》として述語の「読む」に対応するので、yang 節内ではsaya baca のように《人称詞+ゼロ形》を、またはdi- 形の dibaca を用いることになります。