東京外国語大学言語モジュール

Step71 : 側置詞

言語によっては,動詞との意味関係・文法関係を示すために,名詞そのものが形を変えることがあります。これを名詞の屈折(曲用)と呼びます。いわゆる名詞の格変化は,名詞の一部である屈折接辞によって述語動詞との意味関係・文法関係を示すものです。日本語の格助詞は,名詞の一部ではなく,名詞に付加される後置詞の一種です。
一方,述語と名詞との関係を,名詞の屈折ではなく,動詞の接辞によって示す言語もあります。一般に動詞は文の主要部と考えられていますので,これを「主要部表示型言語」と呼びます。これに対して,日本語や英語のように,主要部との関係を従属部である名詞の方に表示する言語を「従属部表示型言語」と呼びます。