東京外国語大学言語モジュール

名詞と格

名詞が「主格,対格,属格,与格」などの変化形を持つ言語があります。変化形は,述語の動詞に対して持っている名詞の代表的な意味役割によって選ばれる形の体系です。名詞自体がこのような意味役割に従って,その形を変化させる場合,これを「名詞の格変化」と呼びます。「格 case」とは「役割,機能」のことです。
意味役割は名詞そのものでなくとも,名詞句の内部にある別の単語で示されることもあります。例えばドイツ語では,「主格,属格,与格,対格」の4つの格変化を,主として名詞に前置される冠詞(不定冠詞および定冠詞)によって表します。