東京外国語大学言語モジュール

動詞の組み合わせによる表現

動詞の活用による叙法や法助動詞を持たない言語でも,出来事に関する話し手の心的判断を表す手段を持っています。
日本語の「~すればよい」というのは,ある行為の結果,どのようなことが起きるかという因果関係として,その結果が「好ましい」ということが示されています。つまり,因果関係が句の接続によって示されていますが,その表していることは,話し手の出来事に関する判断です。「彼が失敗すればいい」と言う場合,「失敗する」のは彼であり,「よい」のは彼の判断ではなく,話し手にとって,あるいは不定の人々にとっての判断です。
動詞の組み合わせによって,動作の継起,因果関係,仮定条件,可能,必要,許可などを表す言語もあります。