東京外国語大学言語モジュール

受動態

「花子が太郎をしかった」に対して,動作を受ける「太郎」に着目して,これを文の主語にすることができます。
「太郎が(花子に)しかられた」
この場合,文の主語である「太郎が」の意味役割は,動作を受ける「被動作者」,あるいは「動作対象,目的」という意味役割を担っています。このような場合を,有標の「受動態」,あるいは受け身文と呼びます。
典型的な受け身文では,被動作者に焦点があり,主語としてマークされます。一方,動作主は背景に退きます。また,受動態は有標構文ですから,動詞にはなんらかのマークが付加されます。