東京外国語大学言語モジュール

話し手の心的態度による限定

ある出来事に対して,話し手がそれを事実として捉えているか,あるいは架空のこととして捉えているか,望ましいと考えているか,残念に思っているか,といった話し手の心理的態度を,文法的な手段で示すことがあります。
特に,心理的態度が,動詞の活用形や,助動詞(法助動詞と呼ばれます)で体系的に表されるとき,次のような「~法 (mood) 」という用語で呼ばれることがあります。
 
・直説法:出来事を事実であると判断して述べる場合の形
・条件法:出来事を仮定として述べる場合の形
・願望法:出来事が起こることを望む場合の形
・命令法:行為を行なうよう,聞き手に命ずる場合の形
・接続法:「~と思う,言う,考える」などの「~」の部分に用いる形
 
直説法は,他の法に対して「無標」にあたるものです。