東京外国語大学言語モジュール

動詞句とその指示対象

この教材では,「動詞」を中心とする語の組み立てを「動詞句」と呼びます。
動詞はふつう,(最広義の)出来事(事象)を指示することとします。
動詞は一般に,その指示対象としての出来事を(概念的に,あるいは特定空間・文脈において)限定するために,以下のような手段を持っています。言語によっては,文法的手段が「助動詞」という品詞の形をとるものもあります。
1. 主語による限定 (例:人称代名詞)
2. 発話時との時間関係による限定 (例:時制[現在・過去・未来])
3. 定性・不定性による限定
4. 様態,回数による限定 (例:アスペクト,完了体・不完了体)
5. 話し手の心的態度による限定 (例:法[直説法,接続法,条件法,命令法])
6. 主語の意味役割による限定 (例:態[能動・受動・中動],再帰動詞)
7. 動詞のクラス (例:動作の内部時間的な把握,存在,知覚,感情,随意・不随意などの意味概念)