東京外国語大学言語モジュール

Step2 : 半過去形の用法

1. Quand tu as téléphoné hier soir, j'étais dans mon bain.
(昨晩、君が電話をしてきたとき、私は風呂にはいっていた)
2. Avant, il allait souvent se promener au bord de la rivière.
(以前、彼はよく川岸を散歩しに出かけていた)
例文1と2のように、半過去形は過去のある時点に身をおいて、そのとき継続中であった行為や状態(風呂にはいっていた)や、習慣的な行い(出かけていた)を表します。1と2は半過去形の基本的な意味と言えるでしょう。しかし、半過去形にはこの他にもいろいろな使い方があります。ここではそちらも見ておきましょう。
3. Si on lui téléphonait ?
(彼(女)に電話しようか?)
<Si on+半過去形 ?> は誘いを表す表現で、日常会話で頻繁に用いられます。
4. Bonjour. Je voulais vous demander si ...
(こんにちは。ちょっとお願いしたいことがあるのですが・・・)
現在形を使って、Je veux vous demander si... と言うのではなく、半過去形je voulaisを使うことで語気が緩和されます。ただし語気を緩和するためには、Je voudrais vous demander une chose...「ひとつお願いしたいことがあるのですが・・・」のように、ふつうはカード63で学ぶ条件法現在形が用いられます。この語調を緩和する半過去形は、devoir「~しなければならない」、souhaiter「望む」、vouloir「~したい」などの動詞に限って用いられると言ってよいでしょう。
5. Ah, Monsieur Walter! On vous attendait!
(ああワルテールさん!お待ちしていたのですよ!)
半過去形は話し手が直前まで意識していなかった状態や状況を表すことがあり、その場合には、驚きや意外のニュアンスが出ます。
6. J'allais lui parler, quand (lorsqu') il a subitement éclaté de rire.
(彼に話しかけようとしたとき、突然、彼が吹き出した)
近接未来形 <aller+不定詞>で動詞のaller が半過去形になると、「(ちょうど)~しようとしていた」という意味になり、過去における近い未来を表します。