東京外国語大学言語モジュール

Step1 : 名詞の性

例1 自然の性と一致する場合
 
男性名詞
 homme (男)
père (父)
monsieur (ムッシュー)
frère(兄弟)
 
 
女性名詞
 
femme (女)
 
mère (母)
 
madame (マダム)
 
sœur (姉妹)
 

例1のように性の区別が自然の性と一致するときは、とくに問題がありません。しかし例2はどうでしょうか?

例2 自然の性と一致しない場合
 
男性名詞
bureau(机)
soleil(太陽)
jour(日)
chemin(道)
 
 
女性名詞
 
table(テーブル)
 
lune(月)
 
nuit(夜)
 
rue(通り)
 

いったいどうして机が男性でテーブルが女性、太陽が男性で月が女性、道が男性で通りが女性になるのでしょうか?その理由はともかくとして、フランス語の名詞を学ぶときは、このように名詞の性もいっしょに覚えなければなりません。
名詞の女性形

名詞の女性形をつくるときの原則は、男性形の語尾に-eをつけます。ただし女性形になると、発音が変わることが多いので注意が必要です。

原則 男性形+-e

Japonais → Japonaise
(日本人 → 日本人女性)
cousin → cousine
(いとこ → いとこの女性)
étudiant → étudiante
(学生 → 女子学生)
男性形は男性の意味だけでなく、総称的な意味でも用いられます。たとえば Fran ça is は、フランス人の男性だけでなく、フランス人一般の意味で使用されます。
 
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以下に述べる例外はかなり詳しい説明です。こりゃ大変だと思われた方は、まず、原則だけを覚えて、例文のほうへ進んでください。
 
原則の例外

(1) 母音で終わる男性名詞は女性形になっても、形も発音もそのままです。

ami → amie
(友だち → 女友だち)
artiste → artiste
(芸術家 → 女芸術家)
employé → employée
(従業員 → 女従業員)
touriste → touriste
(旅行者 → 女旅行者)

(2) 女性形になると形がかなり変わったり、まったく別の単語になる場合がありますので注意しましょう。

acteur → actrice
(俳優 → 女優 -ice は[is]と発音します)
étranger → étrangère
(外国人 → 外国人女性 -èreは[εr] と発音します)
coq → poule
(雄鶏→ 雌鶏)
oncle → tante
(叔父→ 叔母)
roi → reine
(王 → 女王)

(3) 男女同形

auteur(作者)、chef(料理長)、écrivain(作家)、enfant(子供)、médecin(医者)、professeur(教師)などはふつう男女の区別をしません。しかし必要なときには、auteure(女性の作者)やfemme médecin(女医)のように表記したり、un enfant(男の子)とune enfant (女の子)のように区別することがあります。
 
最後まで読まれた方、お疲れさまでした。最初からこんなでは先が思いやられると思ったかもしれません。ご心配なく。この説明がかなり詳しかっただけです。
 
では例文に進み、読み方の練習をしましょう。