東京外国語大学言語モジュール

間接話法(その1)

言ったことばがどのような文であるかによって、間接話法には3つの形式があります。

(1) 平叙文

直接話法 Marie dit: «Je vais chez le coiffeur.»
(マリーは言うんだ、「理容室へ行ってくる」って。)
間接話法 Marie dit qu'elle va chez le coiffeur.
(理容室に行ってくるとマリーは言う。)
接続詞queを使った間接話法の文になります。時制と人称の一致に注意しましょう。直接話法のJeは主節のMarieに人称が一致して、間接話法ではelleに変わります。また言った内容が過去のことなら、時制の一致が起きます。
直接話法 Il a ajouté: «Je rentre en France.»
(そして彼は付けくわえた、「フランスへ帰る」と。)
間接話法 Il a ajouté qu'il rentrait en France.
(フランスへ帰ると彼は付けくわえた。)
現在形のrentreが、半過去形rentraitになっています。
直接話法 Il a ajouté : « Je rentrerai en France.»
(そして彼は付けくわえた、「フランスへ帰だろう」と。)
間接話法 Il a ajouté qu'il rentrerait en France.
(フランスへ帰るだろうと彼は付けくわえた。)
単純未来形のrentreraiが、条件法現在形rentreraitになっています。

(2) 命令文

直接話法 Elle dit au chauffeur: «Allez à la gare de Lyon.»
(彼女は運転手に頼む、「リヨン駅に行ってください」と。)
間接話法 Elle dit au chauffeur d'aller à la gare de Lyon.
(彼女は運転手にリヨン駅に行ってくださいと頼む。)
命令文は、間接話法にすると<de+不定詞>になります。

(3) 疑問詞のない疑問文

直接話法 Il me demande: «Vous partirez demain?»
(彼は私に尋ねる、「明日出発するのか」と。)
間接話法 Il me demande si je partirai demain.
(彼は私に明日出発するのかどうか尋ねる)
疑問詞のない疑問文は、間接話法になるとsi「~かどうか」を用いて表現します。