東京外国語大学言語モジュール

接続法 — 副詞節 (2)

副詞節中の接続法(2)
副詞節中の接続法—用法[4]: 譲歩文
 aunque: 事実そのまま ⇒ 直説法
             仮定して ⇒ 接続法
(1a)Aunque llueve, saldremos.
(雨が降る(降っている) のだが出かけるつもりだ.)
(1b)Aunque llueva, saldremos.
(雨が降っても(降っていても)出かけるつもりだ.)
(1c)Aunque es japonés, no le gusta el pescado crudo.
(彼は日本人なのだが,刺身がきらいだ.)
(1d)Aunque sea japonés, no le gusta el pescado crudo.
((断言をやわらげて) 彼はなるほど日本人かもしれないが,刺身がきらいだ.)
疑いの副詞
 quizá(s), tal vez, acaso, probablemente, posiblemente などの副詞(句) は推量を表しますが,疑いの度合によって直説法か接続法を使い分けます.
 
 確実⇒直説法
 疑いが強い⇒接続法
(2a)Quizá {viene / venga} más tarde.
(おそらく彼/彼女は遅れて来るだろう.)
(2b)Tal vez {llueve / llueva} mañana.
(たぶん明日は雨が降るだろう.)
・ a lo mejor は常に直説法をとります:
 A lo mejor viene más tarde. (たぶん彼/彼女は遅れて来るだろう.)
現実的条件文
 「もしXならば○○,そうでなければ▲▲…」というように,いくつかの可能性が考えられる場合の条件文です.この場合,si の中の動詞は直説法現在です.
(3a)Si hace buen tiempo mañana, te llevaré al zoo.
(明日天気がよければ,動物園に連れて行ってあげるよ.)
(3b)Si papá vuelve pronto, cenaremos juntos.
(父さんが早く帰ってきたら,一緒に夕食を食べよう.)
si とともに直説法未来が用いられることはありません.
 × Si papá volverá pronto, cenaremos juntos.
また,接続法現在になることもありません.
 × Si papá vuelva pronto, cenaremos juntos.
非現実的条件文
 「もし仮にXだったら,○○なのに」というように,実際にはあり得ない可能性について話すときに使う条件文です.

4. 現在・未来のことがら: Si + 接続法過去,過去未来

(4a)Si hiciera buen tiempo mañana, te llevaría al zoo.
(明日がいい天気になるんだったら,動物園に連れて行ってあげるんだけどね.)
(4b)Si papá volviera pronto hoy, cenaríamos juntos.
(父さんが今日早く帰ってくるんだったら,一緒に夕食を食べるんだけど.)

5. 過去のことがら: Si + 接続法過去完了,過去未来完了

(5a)Si hubiera hecho buen tiempo ayer, te habría llevado al zoo.
(昨日がいい天気だったら,動物園に連れて行ってあげたんだけど.)
(5b)Si papá hubiera vuelto pronto anoche, habríamos cenado juntos.
(父さんが昨夜早く帰ってきていたら,一緒に夕食を食べたんだけど.)
・ 接続法過去完了は「haber の接続法過去+過去分詞」です.

 hubiera    hubiéramos
 hubieras   hubierais       + hablado (comido, vivido)
 hubiera    hubieran

・ 過去未来完了は「haber の過去未来+過去分詞」です.

 habría     habríamos
 habrías    habríais         + hablado (comido, vivido)
 habría     habrían
現実的願望文
 実現の可能性がある願望を表します.
(6a)¡Que lo pases bien!
(楽しんでね!/(別れ際に)元気でね!)
(6b)¡Que tengáis buen viaje!
(よい旅を!)
(6c)¡Que te mejores!
((病気などが)よくなりますように!)
(6d)¡Ojalá no llueva mañana!
(明日雨が降りませんように!)
(6e)¡Ojalá todavía estén en casa!
(彼ら/彼女らがまだ家にいますように!)
(6f)¡Ojalá no se hayan marchado!
(彼ら/彼女らがまだ帰ってしまっていませんように!)
すでに完了したことがらで,その結末がわからないときには現在完了を使います.
非現実的願望文
 ¡Ojalá + 接続法過去!     現在・未来の非現実的な願望
 ¡Ojalá + 接続法過去完了!  過去の非現実的な願望
(7a)¡Ojalá estuvieran mis padres aquí!
(両親がここにいたらなあ!)
(7b)¡Ojalá te hubiera conocido antes!
(君ともっと早くに知り合っていたら!)
¡Si. . . ! も同じように用います.
 ¡Si supieras qué preocupado estoy! (私がどんなに忙しいかわかってもらえたらなあ!)
 ¡Si me lo hubieras dicho antes! (それをもっと早く言ってくれてたら!)