東京外国語大学言語モジュール

解説

まずごく普通に「な」「に」「ぬ」「ね」「の」と言ってみてください。ローマ字書きにすると na , ni , nu , ne , no となりますが,最初のnを発音するときに舌先が歯茎の裏側にしっかりと付いているのがわかりますね。では,こんどは「案」「院」「運」「円」「恩」と言ってみてください。それぞれローマ字書きにすると an , in , un , en , on となって,やはり n という文字がありますが,この n を発音するときには,舌先は歯茎の裏側に付いてはいません。
ドイツ語の[ n ]は an , in , un , en , on のように綴りの末尾にあるときでも舌先を歯茎の裏側にしっかりと付けて発音します。日本語話者が不用意に発音すると, den は[デ]しか, Mann は[マ]しかドイツ語話者の耳に届かないということもあります。 den は[デン], Mann は[マン]と言う気持ちで綴りの末尾の n や nn をしっかりと発音しましょう。まず,お手本の後について読む練習です。


A.
Ich kenne den Studenten.
(私はその学生を知っている。)
B.
Wir wohnen in Dresden.
(私たちはドレスデンに住んでいる。)
C. Rufen Sie ihn an! (彼に電話しなさい。)

なお, Englisch (英語)や Übung (練習)の ng は「マンガ」の[ン]を伸ばしたときに聞こえる[ン]と言う1つの音です。 Englisch や Übung の n を,舌先を上の歯茎の裏に押し付けて[ n ]などと発音してはいけません。