東京外国語大学言語モジュール

072: 受動文 (5) ― 自動詞の受動文

 ステップ71で見たように,受動文の主語になるのは,対応する能動文の4格目的語だけです。4格目的語を取らない動詞(自動詞)の受動文は主語の無い文になります
 
(1)
Es wurde bis in die Nacht hinein gefeiert. 
夜中までパーティーをしていた。
 (1) は自動詞の feiern (パーティーをする)を使った受動文です。「誰が」ということは明示しないで「夜中までパーティーをしていた」ことだけを表しています。文頭の es は定動詞 wurde を第2位にするために置いてあるだけで,(2) のように,他の語句が文頭にあれば es はなくなります。
 
(2)
Bis in die Nacht hinein wurde gefeiert.
夜中までパーティーをしていた。
 (3) の3格目的語や (4) の前置詞付きの目的語などは受動文でもそのままの形です。
 
(3)
Wie vielen Menschen wird mit Ihrer Spende geholfen? 
あなたの寄付で何人の人が助かるでしょうか?(赤十字のホームページ)
 
(4)
Hier wird über die Nebenwirkungen von Medikamenten diskutiert. 
ここでは薬の副作用について議論します。
 どちらも「誰が」よりも「何をする」かの方を前面に出した表現となっています。