東京外国語大学言語モジュール

017: 前置詞 (1) ― 前置詞の格支配,2格支配の前置詞 ─

 
(1)
Kazuya fährt mit dem Fahrrad um den See.
カズヤは自転車で湖の周りを走る。
 
(2)
Trotz des Regens spielen die Kinder im Garten.
雨なのに子供たちは庭で遊ぶ。
 例文(1)では mit と um,(2) では trotz と in という前置詞が使われています。mit の後ろの dem Fahrrad (自転車)は3格,um の後ろの den See (湖)は4格になっています。また,trotz の後ろは2格,im は in と dem の融合形で, in の後ろは3格になっています。
 ステップ12で「1格,2格,3格,4格」は「…が,…の,…に,…を」にだいたい対応すると説明しましたが,前置詞の場合,これとは無関係に「mit の後ろは3格になる」「um の後ろは4格になる」「trotz の後ろは2格になる」と,それぞれの前置詞ごとに,後ろに来る名詞(および代名詞)の格が決められています。このように前置詞が後ろの名詞(および代名詞)の格を指定することを前置詞の格支配と言います。ドイツ語の前置詞は2格支配 (trotz など),3格支配(mit など),4格支配(um など),3・4格支配(in など)という4つのグループに分かれています。