東京外国語大学言語モジュール

1. 名詞・形容詞の複数形
　名詞・形容詞の複数形は次のように分類できます。

 

2. 男性複数語尾 -uuna / -iina
　職業や国籍を表す名詞，人の状態を表わす分詞の多くは，単数形の語尾に -uuna （主格），-iina （属格・対格）をつけて複数形が作られます。

　属格名詞や接尾代名詞が後続すると，男性複数語尾 ن -ni はなくなります。

موظّفو  شركة

←

شركة

＋

موظّفون

muwaZZaf-uuna 「職員たち」　＋　ʃarika 「会社」　→　ｍuwaZZaf-uu  ʃarika(t-in)  「会社員たち」

　複数形ではありませんが，数詞20～90も男性複数語尾と同じ主格 -uuna，属格・対格 -iina をとります。

（会話モジュール8「金額についてたずねる」）

 

3. 女性複数語尾 -aat
　語尾が ـة -a で終わる語の多くは女性複数語尾 -aat をつけて複数形を作ります。

　基本的に発音されませんが，女性複数語尾 -aat は主格 -u，属格・対格 -i という二つの格語尾 で格を示します。「不定」の格語尾には不定を表わす n がつきます。

 

saaʕa 「時計・時間」の複数形の格

	定		不定
主格	ساعات	saaʕaat-u	ساعات	saaʕaat-un
属格・対格	ساعات	saaʕaat-i	ساعات	saaʕaat-in

 

4. 語幹そのものが変わる複数形
　アラビア語の複数形は Taalib (Tullaab) 「学生（カッコ内は複数形）」のように語幹そのものが変化するタイプが大部分を占めています。どの名詞がどの複数形を持っているかある程度の傾向はありますが，明確な決まりはありません。
　このStepや語彙モジュールでは，単数形の後に複数形も収録しておきました。単数形と複数形はいつもペアでチェックし，繰り返し音読するよう心がけてください。頭の中に単数形・複数形のペアのストックができてくると，不思議と初めて出会う単語でも複数形が推測できるようになるものです。
　次の例文のところで，語幹そのものが変わる複数形のパターンをいくつか練習してみましょう。