本小節では一つの動詞からなる文の発音練習を通じて、ビルマ語らしい発音を体得できるようにしましょう。
ビルマ語の動詞文は「動詞+動詞文標識」という構造になっています。動詞文標識とは、日本語でいうところの活用語尾のようなものだと思っていて下さい。ここではもっとも標準的な動詞文標識-tɛ̀~-dɛ̀〈-တယ်〉と否定の標識-pʰú~-bú〈-ဘူး〉を使います。否定の場合、否定の接頭辞mă-〈မ-〉が動詞の前に付されます。
なおビルマ語の動詞には、他の言語では形容詞に当たるようなものも含まれます。
1. 動詞文標識-tɛ̀~-mɛ̀〈-တယ်〉《叙実》を伴う動詞文
-tɛ̀~-dɛ̀〈-တယ်〉は叙実を表すムードで、日本語では過去形、非未来の現在形に当たります。直前の音節が促音調以外の場合、有声音-dɛ̀となります(さらにdの破裂が弱くなって接近音となったり、直前の音節が撥音節の場合は鼻音に近くなったりすることもあります)。
2. 動詞文標識-pʰú~-bú〈-ဘူး〉《否定陳述》を伴う動詞文
動詞文標識-pʰú~-bú〈-ဘူး〉《否定陳述》を表すムードで、過去・現在・未来のいずれでも使います。否定を表すのは接頭辞mă-〈မ-〉で、これを動詞の前に添えます。