前小節まではどちらかというと「こうあるべき」という発音を学習しました。ただ実際の音はかなりばらつきがある場合があります。その中でも(w)uʔ、(w)uɴはかなり変わってしまうために、実際にどのような音に変わってしまうのかをきちんと学んでおく必要があります。本節では(w)uʔ、(w)uɴがどのように変化して現れるのか、について学習します。
(w)uʔ、(w)uɴというのは、(1) wuʔ〈ဝတ်, ဝပ်〉、(2) wuɴ〈ဝန်, ဝမ်, ဝံ〉、(3) -uɴ〈ွန်, ◌ွမ်, ◌ွံ〉の3種類になります。
1. wuʔ
wuʔはこの通りに発音してもきちんと通じます。しかし人によってはwiʔとなります。
2. wuɴ
wuɴはそのまま発音してもきちんと通じます。しかし人によってはwiɴ(まれにwaɴ)などになります。
3. -uɴ
-uɴはそのまま発音してもきちんと通じるものもあれば、ほぼ必ず-waɴ、-wiɴとなるものがあります。
pʰûɴ~pʰwîɴ 〈ဖွံ့〉は綴り字上はpʰûɴで、その通り発音しても通じますが、現代ではpʰwîɴと発音されることが多くなっています。
lúɴ~lwáɴ〈လွမ်း〉綴り字上はlúɴですが。その通りに発音することはまれで、ほとんどlwáɴと発音されます。
cwáɴ〈ကျွမ်း〉は綴り字上はcúɴですが、その通りに発音されることはまずなく、cwáɴとのみ発音されます。なお、この語の元の形である〈ကျွမ်းကျင်〉はcúɴjìɴ、cwáɴjìɴのいずれの発音もあるようです。