東京外国語大学言語モジュール

3.1. 声調の概説

 声調とは音の高さやその変化によって形式的な区別を行うことで、その高さや変化のパターンが数種類に限られているものをいいます。ビルマ語は3種類の声調の区別を持っています(研究者によっては4種と考えることもあります。後述)。

 具体的には低平調、高平調、下降調の3つで、概念的には低く長い、高く長い、高いところから低いところに鋭く落ちる、といった単純なピッチ曲線です。

 中国語音韻論に倣って声調の高さを1~5に分け、その高さおよび変化を図式化すると、だいたい以下のようになります。

【音の高さの概念図】

 なおこのモジュールではビルマ語の声調を上記3種と見なしていますが、発音を習得する際には末子音-ʔを伴う閉音節(以下「促音節」)は少し気をつけるべき点もあるので、以下では促音節とそれ以外とを分けて説明します。(研究者によってはこの促音節を下降調と分けて4声調とします。)

 またミャンマーのビルマ語学では促音節を声調とは見なさず、これを除いた3声調という立場です。