東京外国語大学言語モジュール

学習の目標

　この文法モジュールは話すためのアラビア語文法教材です。アラビア語の標準語であるフスハーを使って，会話をするための基礎力養成を目指します。

　アラビア語の文法教材というと，例文は文法を理解するためのものが中心です。しかし，この文法モジュールでは，学習者に使えるようになって欲しい平易かつ実践的な例文を厳選しました。さらに，例文を活用すると，アラビア語を使ってどんなことができるようになるのか（Can-do）にも注意を払った構成を心掛けています。

　それぞれの例文は，音声を聞いて，何度も音読し，しっかりと身につけましょう。各Stepの最後にある 【チェックリスト】 の日本語の文を見て，即座にアラビア語に翻訳できるようになれば，そのStepの学習目標は達成，あとは応用・実践あるのみです。

　また，会話モジュールの例文のほとんどを，文法モジュールの解説のための例文として採用してあります。これにより，文法項目が使用される文脈が確認できるほか，会話モジュールの学習を進めるための文法教材として文法モジュールを使用することもできるでしょう。

 
1. 文法復習コース
　大学や語学講座で学んだアラビア語文法を活用すると，どのようなことが言えるようなるのかを確認しながら，表現力の養成を目指すコースです。

　アラビア語講座を受講中の学生の皆さんが復習用として利用するほか，初級文法の授業に会話的な要素も取り入れたいと考えている先生方が授業のヒントにできるよう設計されています。

 

2. 場面・機能・話題コース
　「買い物」「挨拶する」「病気」など，文法を学びながら特定のテーマごとの表現力の養成を目指すコースです。

　アラビア語で話す予定のある方や，アラビア語圏への旅行を計画している方が事前の練習に活用できるよう設計されています。

ローマ字転写

　アラビア語の子音のローマ字転写には，以下のものを採用しました。

ب	b	ذ	ð	ط	T	ل	l
ت	t	ر	r	ظ	Z *	م	m
ث	θ	ز	z	ع	ʕ	ن	n
ج	j	س	s	غ	ġ	ه	h
ح	ħ	ش	ʃ	ف	f	و	w
خ	x	ص	S	ق	q	ي	y
د	d	ض	D	ك	k	ء	ʔ

*  ظ は本来  ذ ［ð］ の強調音（口蓋垂化音）ですが，便宜的に Z を採用しています。

 

参考文献

1. 東京外国語大学21世紀COE「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」 『TUFS言語モジュール アラビア語フスハー会話モジュール』

2. Karin C. Ryding （2005） “A Reference Grammar of Modern Standard Arabic” Cambridge University Press

3. 柴田道広『アラビア語検索エンジン アラジン ver.1』

4. Hans Wehr （1994） “A Dictionary of Modern Written Arabic. Arabic–English, 4th edition” J. M. Cowan編, Spoken Language Service

5. 本田孝一，イハーブ・アハマド・イベード （2004） 『パスポート日本語アラビア語辞典』白水社
6. Tim Buckwalter, Dilworth Parkinson （2011） “A Frequency Dictionary of Arabic: Core Vocabulary for Learners” Routledge