アメリカ英語とイギリス英語の語彙の違い

はじめに

 イギリス英語と北アメリカ英語の相違点の中で、もっとも顕著なものは語彙の違いである。意味が異なる語、ある特定の意味もしくは用法が異なる語、一方の変種でしか使われない語は数多い。

 こうした相違のおもな要因は、北アメリカにおいて新しい物事が生じ、それを指し示す語を作る、あるいは、その新しい物事に既存のイギリス英語の語を当てはめる必要性に迫られたことである。たとえば、cornという語は穀物を指し示す語であり、もっとも一般的な穀物を表すのに使われるが、もっとも一般的な穀物とは、イギリスでは小麦、アメリカではトウモロコシである。また、robinは、イギリスでは小さな赤い胸の小鳥であるのに対し、アメリカでは大きな赤い胸のツグミである。panhandle (フライパンの柄のように、細長く突き出した地域) や butte (孤立した丘) は、アメリカ独特の地形を表している。

 イギリス英語と北アメリカ英語が分かれた後の技術的、文化的進歩も、語彙が異なる原因の一つである。たとえば、車の部品を表す語では、フロントガラスを表すwindshield (アメリカ英語)とwindscreen (イギリス英語)、トランクを表すtrunk (アメリカ英語)とboot (イギリス英語)。スポーツの用語では、アメリカ英語が、野球からhome run (ホームラン) 、bunt (バント)、pitcher (ピッチャー)、イギリス英語が、クリケットからpitch (ピッチ)、wicket (三柱門)、bowler (投手)など。教育制度の違いからは、アメリカ英語のhigh school (14歳から18歳)、major (専攻学科)、co-ed (男女共学の大学の女子学生)、イギリス英語のpublic school (私立中等学校)、form (学年)、reader (准教授)など。
語彙が異なる三番目の理由は、他言語からの影響である。アメリカ英語は、数多くの語を様々な言語から借用している。(イギリス英語に流入している語もある。) たとえば、アメリカ原住民の言語から、hickory (クルミ科の落葉高木)、hooch (酒)、moccasin (モカシン)、muskie (アメリカカワマス)、squash (カボチャ)、toboggan (トボガン) など、土着の動植物や独特の地形を表す語。スペイン語から、mesa (段丘)、tornade (トルネード)、tortilla (トルティーヤ)。アフリカの言語から、goober (ピーナッツ)、jazz (ジャズ)、banjo (バンジョー)。イディッシュ語から、schmaltz (過度の感傷主義)、schlep (…を引きずる)、schlock (安っぽいもの)。

 最後に、イギリス英語、北アメリカ英語それぞれが独自に変化したことも原因である。一方が失った古い語をもう一方が維持していることもあるし、一方が取り入れていない新しい意味をもう一方が取り入れていることもある。カナダ英語で維持されている古い語の例としては、chesterfield (ソファー、カウチ)、reeve (町村議会の議長)。
語彙の相違は、四通りに分けることができるが、重なり合って分類される語もある。

1. 同じ語で意味が異なる例

 コミュニケーションの上でもっとも問題となる可能性のある語だが、こうした例は数少ない。

イギリス英語の意味 アメリカ英語の意味
geezer 男性、友人 老人、特に少し変わった人
homely 現実的な
家庭的な
(アメリカ英語のhomeyと同義)
不器量な
nervy 神経質な 厚かましい
pants パンツ(下着) ズボン
pavement 歩道 舗装道路
to tick off しかる 怒らせる

2. 一方の変種で意味が増えている語

 イギリス英語話者とアメリカ英語話者間のコミュニケーションの問題となる可能性がある。増えた意味は、隠喩的な意味拡張に因ることが多い。

アメリカ英語において意味が増えている語

両変種に共通の意味 アメリカ英語において
増えている意味
awesome 恐ろしい、すさまじい すごい、とてもいい
bathroom 浴槽あるいはシャワーとシンクを備えた浴室 トイレ
cute かわいらしい
(たとえば、子猫について)
魅力的、チャーミングな
(たとえば、大人について)
dumb 口のきけない 愚かな
good すばらしい、良い 有効な
(たとえば、チケットや特別な提案について)
regular いつもの、一定の 標準サイズの、普通の
school 小学校から高校までの教育機関 大学を含むすべての教育機関
to ship 船で運ぶ 船、列車、航空機、トラックで運ぶ
side 側面 サイドディッシュ

イギリス英語において意味が増えている語

両変種に共通の意味 イギリス英語において増えている意味
bird 小鳥 若い女性 (スラング)
frontier 辺境 国境
hall 玄関の広間、廊下 大学寮
leader 先導者 社説
to mind 注意を払う、従順である ...に気を配る
pint 液量の単位(0.473リットル) 1パイントのビール
to pinch つまむ 盗む
rubbish くず、がらくた 悪い、使えない
rug 厚い (通常ウールの) 敷物 厚い (通常ウールの) 毛布
smart 賢い 身なりのきちんとした
surgery 外科手術、手術室 診療所

3. 文体、コノテーション、使用頻度が異なる語

 文体 (堅苦しい言い方かくだけた言い方か)、コノテーション (肯定的か否定的か)、使用頻度 (一般的かそうでもないか) が異なる場合であっても、通常は他方の変種の話者に理解される。こうした語彙の使用によって、その話者がどの変種の英語を習得したかがわかる。

イギリス英語の用法 アメリカ英語の用法
autumn (秋) 一般的、すべての文体 一般的でない、詩あるいは堅苦しい言い方
(fallが一般的)
clever (才覚のある) 一般的、肯定的 それほど一般的でない
通常は否定的 (悪賢い)
to fancy (好む、欲しいと思う) 一般的、くだけた言い方 一般的でない
fortnight (二週間) 一般的、すべての文体 一般的でない (古語)、詩的
perhaps (ことによると) すべての文体 やや堅苦しい言い方
(maybeが一般的)
quite
(quite goodなどの用法で、とても)
否定的あるいは中立的 肯定的
row (口げんか、騒ぎ) 一般的 一般的でない

4. 同じ概念や物を異なった語で表す例。

 イギリス英語、アメリカ英語の語彙の違いは、大部分がこのタイプである。対応する語が、もう一方の変種ではあまり使われない例と使われる例とに分けられる。

対応する語が、もう一方の変種ではあまり使われない語

アメリカ英語でのみ使われる語 対応するイギリス英語の語 日本語訳
M.C. (emcee) compére 司会者
faucet tap 水道の蛇口
muffler silencer (車の)消音器
rookie first year member 新人
sophomore second year student 二年生の学生
steal (名詞) deal (名詞) 掘り出し物
washcloth face flannel 洗面用タオル
イギリス英語でのみ使われる語 対応するアメリカ英語の語 日本語訳
Blimey! Oh dear! これは驚いた!
Cheers. Thank you. ありがとう。
corner shop store / kiosk 売店
cuppa cup of tea 一杯のお茶
dynamo generator 発電機
fag cigarette タバコ
flat apartment アパート
flatmate roommate ルームメイト
footie football、soccer フットボール、サッカー
gobby loudmouth おしゃべり
hire purchase installment buying 分割払い購入
loo toilet トイレ
nick steal 盗む
No probs. No problem. (依頼に対する快諾の返答)
ああいいよ。
No worries. No problem. (依頼に対する快諾の返答)
ああいいよ。
nought zero ゼロ
peckish slightly hungry 小腹が空く
pop quickly put 急いで置く
queue line 行列
quid pound ポンド
a roast a large piece of meat cooked
in the oven
ローストした塊肉
spanner monkey wrench スパナ
treacle molasses 糖蜜

アメリカ英語の語が、最近イギリスでも使われることがある語

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
to call to ring 電話をかける
can tin
cellphone mobile 携帯電話
to check to tick …に照合のしるしを付ける
couch sofa ソファー
game match 試合
garbage rubbish ゴミ
gas / gasoline petrol ガソリン
sidewalk path 歩道
to skip something to give something a miss …を避ける、…に行かない
gonna going to going to の縮約形 (口語)
wanna want to want to の縮約形 (口語)

5. 分野別

 最後に、イギリス英語とアメリカ英語で異なる語を分野別に簡単にまとめる。ある分野では意味や品詞がまったく同じ語が、別の分野では異なる意味を持つことがある点に注意しよう。たとえば、「ずきん、フード」の意味でのhood や「つけひもをあごの下で結ぶ帽子」の意味でのbonnetは、両変種で同じように使われるが、車のエンジンのカバー部分を指す部品については、アメリカ英語ではhoodを用い、イギリス英語ではbonnetを用いる。同様に、動詞のflexは、アメリカ英語、イギリス英語ともに「曲げる、曲がる」と同じ意味だが、「電気のコード」を意味する名詞のa flex はイギリス英語でのみ用いられ、アメリカ英語では使われない。

食べ物と料理

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
cookie (plain) biscuit (sweet) クッキー
biscuit scone スコーン
cracker biscuit (savoury) クラッカー
dessert pudding デザート
pudding custard プリン
custard egg custard カスタード
jello jelly ゼリー
jelly jam ジャム
crepe pancake 薄いパンケーキ
French fries chips フライドポテト
hamburger meat mince ミンチ肉
roast (名詞) joint 塊肉
eggplant aubergine 茄子
zucchini courgette ズッキーニ
to broil to grill (肉を)あぶる
stove cooker 料理用レンジ、こんろ
bowl basin ボウル
pitcher jug 水差し
pop / soda fizzy drink 炭酸飲料

衣類とアクセサリー

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
garter suspender 靴下留め
suspenders braces ズボン吊り
underpants (女性用) knickers 女性のブルマー風の下着
knickers knickerbockers ニッカーボッカー
smock overall スモック
overalls dungarees オーバーオール
sweater (pullover) jumper セーター
jumper dress worn over blouse ジャンパー
undershirt vest アンダーシャツ
vest waistcoat チョッキ
pantyhose tights パンティーストッキング
tuxedo dinner jacket タキシード
barrette hairslide バレッタ
changepurse purse おもに女性用の小銭入れ
purse / bag handbag ハンドバッグ
diaper nappy おむつ

家・学校

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
living room sitting room 居間
yard garden
garden vegetable or flower garden 菜園、花壇
buffet sideboard 食器棚
flashlight torch 懐中電灯
floorlamp standard lamp フロアーランプ
garbage can dustbin ごみ入れ
outlet / socket power point コンセント
sheers net curtains 細かいメッシュのカーテン
current mailing address current residence 現住所
classes courses 授業
semester term 学期
core course foundation course 基礎コース/科目
dormitory hall of residence (大学の) 寮
vision test eye test 視力検査

商業

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
mortician undertaker 葬儀屋
realtor estate agent 不動産業者
traveling salesman commercial traveller 外交員、セールスマン
drug store/pharmacy chemist’s shop 薬屋
hardware store ironmongers 金物屋
liquor store off-licence store 酒屋
laundromat launderette コインランドリー
trade (名詞) custom 取引

輸送

アメリカ英語 イギリス英語 日本語訳
baby buggy pram (perambulator) ベビーカー
station wagon estate car ステーションワゴン
trailer/camper/mobile home caravan トレーラーハウス
pullman car (鉄道) sleeping car 寝台車
truck lorry トラック
moving truck removal van 引越をする時に家具等を運ぶ車
sidewalk pavement 歩道
crosswalk zebra crossing 横断歩道
pedestrian underpass subway 地下道
subway underground 地下鉄
highway motorway 高速道路
driver’s license driving licence 運転免許

6. 語彙のアメリカ化

 電子メディアの出現以来、1928年にサウンドトラック付きのアメリカ映画が、イギリスなど英語を母語とする他の国々に輸入されたことを皮切りに、北アメリカ英語の語彙が他の英語変種の土着語彙を駆逐して定着するようになった。

 第二次世界大戦前後に北アメリカ英語からイギリス英語にもたらされた語の例は、次の通り。

もたらされた語 それ以前に使われていた語 日本語訳
(car) battery accumulator (車の)バッテリー
briefcase portfolio 書類かばん
raincoat mackintosh レインコート
radio wireless ラジオ
sweater jumper セーター
dessert sweets デザート
peanut monkeynut 落花生

 penny (イギリス英語では1ペニー青銅貨の意味。転じてアメリカ英語では1セント銅貨の意味)、smog (スモッグ)、copper (警察官) のように、イギリス英語から北アメリカ英語に入った語彙もある。しかし、メディアにおけるアメリカの優位を背景に、北アメリカ英語から他の変種に取り入れられる語彙が多い。
この傾向は現在も続いていて、25年以上前に北アメリカ英語でのみ使われていた語彙は、現在では様々な変種の英語で使われている。今では、cuteという語を「魅力的」という意味で使うイギリス人も見受けられる。また、一般人はあまり使わないものの、イギリスの小売業者は、cookies (クッキー)、cans of drink (缶入飲料)、crepes (薄いパンケーキ)、regular servings of coffee (標準サイズのコーヒー)という言い方を使う。新聞のスポーツ欄には「新人」を意味するrookieという語が見受けられ、選手がチームに所属することを表現するのに、in a team (イギリス英語の言い方)ではなく、on a team (アメリカ英語の言い方) が用いられる。そして、若い世代が動詞のcallを使う場合は、訪問するのではなく、電話をかけることを意味する。billionという語は、イギリス英語本来の「1兆」の意味をほぼ失い、「10億」を意味することが多い。多くのイギリス人が「トラック」を意味するのにlorryではなくtruckを使い、「洗面用タオル」を表すwashclothは一般的になった。若い世代は「タキシード」をdinner jacket ではなくtuxedoと言うこともある。また、「賢い」という意味でsmartを、「愚かな」という意味でdumbを使うこともある。

 イギリス人は、従来、11月1日をNovember 1stをNovember the firstと言ってきたが、現在では、北アメリカ式にNovember firstと言うこともある。また、2008年は、従来のイギリス式のtwo thousand and eight ではなく、two thousand eightと言うこともある。

7. 綴り字の違い

 イギリス英語とアメリカ英語には、規則的な綴り字の相違がある。アメリカで綴り字が刷新されたり、1806年のノア・ウェブスターによる綴り字改革をはじめとしてルール化が試みられことが原因の一つである。また、古い時代の英語の綴り字は変化しやすく、英米の英語が、それぞれの標準的な綴り字として異なった表記を選ぶにいたったことも原因である。

 以下は、おもな綴り字の相違を例示したものである。該当する単語のすべてを網羅してはいないが、相違が限定的である場合には説明を加えている。カナダ英語の場合には、アメリカ英語の綴りを用いる語、イギリス英語の綴りを用いる語、綴りに揺れがある語がある。

1.

(人を意味する語尾の -or、たとえばemperor (皇帝)、governor (統治者) のような語は、イギリス英語、アメリカ英語とも- orを用いる。こうした綴り字は、オーストラリア (特にビクトリア州) 英語でも用いられる。)
イギリス英語  -our アメリカ英語  -or 日本語訳
colour color
favour favor 好意
flavour flavor 香り
honour honor 名誉
labour labor 労働
odour odor 匂い
vapour vapor 蒸気

2.

(限定的。「丸石」を意味するboulderは、イギリス英語、アメリカ英語とも同じ綴り。)
イギリス英語  -ou- アメリカ英語  -o- 日本語訳
mould mold 鋳型
moult molt 羽毛が抜け変わる
smoulder smolder いぶる

3.

(ギリシア語からの借用語に起きる相違。学術研究においては、アメリカ英語でもイギリス英語の綴り字が使われることがある。)
イギリス英語  -ae/oe- アメリカ英語  -e-  日本語訳
anaesthetic anesthetic 麻酔薬
encyclopaedia encyclopedia 百科事典
mediaeval medieval 中世の
amoeba ameba アメーバ
foetus fetus 胎児
manoeuvre maneuver 作戦行動

4.

(限定的。「封筒」を意味するenvelope、「こうむる」を意味するincurはイギリス英語、アメリカ英語とも同じ綴り。inquireはイギリス英語でも用いられる。enquire、ensure、enureを除き、アメリカ英語においてもイギリス英語の綴り字が好まれる。)
イギリス英語 en- アメリカ英語 in- 日本語訳
encase incase 容器に入れる
enclose inclose 囲む
endorse indorse 裏書きする
enquire inquire 尋ねる
ensure insure 確実にする
enure inure 鍛えられる

5.

(アメリカ英語ではイギリス英語の綴り字も可能。)
イギリス英語 -dgement アメリカ英語 -dgment 日本語訳
abridgement abridgment 縮小
acknowledgement acknowledgment 承認
judgement judgment 判断

6.

イギリス英語  -re アメリカ英語  -er 日本語訳
centre center 中心
fibre fiber 繊維
litre liter リットル
metre meter メートル
spectre specter 幽霊
theatre theater 劇場

7.

イギリス英語  -ce アメリカ英語 -se 日本語訳
defence defense 防御
licence  (名詞) license  (名詞と動詞) 免許
offence offense 違反
practice  (名詞) practiseあるいはpractice
(名詞)
実践
pretence pretense 見せかけ

8.

(イギリス英語では、アメリカ英語の綴り字も可能。カナダ英語では、語幹が変化していない場合は -izeを用い (例、capitalize、glamorize、naturalize)、語幹が変化している場合は -iseを用いる (例、apologise、realise (実現する))。「広告する」を意味するadvertiseは、通常、イギリス英語、北アメリカ英語ともに同じ綴り。)
イギリス英語  -ise アメリカ英語  -ize 日本語訳
apologise apologize わびる
capitalise capitalize 大文字で書く
dramatise dramatize 劇化する
glamorise glamorize 美化する
naturalise naturalize 帰化させる
satirise satirize 風刺する

9.

(イギリス英語では、アメリカ英語の綴り字も可能。限定的。「視察」を意味するinspection、「肌色」を意味するcomplexionは、イギリス英語、アメリカ英語とも同じ綴り。)
イギリス英語  -xion アメリカ英語  -ction 日本語訳
connexion connection 関係
deflextion deflection 片寄り
inflextion inflection 屈曲
retroflextion retroflection 反転

10.

(母音字で始まる語尾の前で、語幹の最後の音節にストレスがない場合に限られる。アメリカ英語では、イギリス英語の綴り字も用いられる。)
イギリス英語 
子音字を重ねる
アメリカ英語
子音字は1文字とする
日本語訳
counsellor counselor 相談役
kidnapper kidnaper 誘拐者
levelled leveled 平均化された
libellous libelous 誹謗の
quarrelling quarreling 口論している
travelled traveled 旅慣れた
worshipping worshiping 崇拝している

11.

(子音字で始まる語尾の前、あるいは、最後の音節にストレスがある多音節語の語末。)
イギリス英語  l一文字 アメリカ英語 lを重ねる 日本語訳
fulfilment fulfillment 遂行
instalment installment 分割払いの1回分
skilful skillful 熟練した
enthral enthrall 魅惑する
instil instill 教え込む
fulfil fulfill 成就する

12.

(いくつかの語に限定される。)
イギリス英語 -gg- アメリカ英語  -g- 日本語訳
faggot fagot
(faggotは米俗語で
「ホモセクシュアル」の意味)
まき束
waggon wagon 四輪荷馬車

13.

(いくつかの語に限定される。イギリス英語では、アメリカ英語の綴り字も可能。綴り字の相違は発音にも影響する。)
イギリス英語 アメリカ英語
語尾をつけない
日本語訳
amidst amid …の最中に
amongst among …の間に
whilst while …している間に

14. その他

イギリス英語 アメリカ英語 日本語訳
buses bussesあるいはbuses bus (バス) の複数形
cheque check 小切手
draught draft 下書き
further
(発音も異なる。)
farther far (距離が遠い) の比較級
gaol jail 刑務所
gauge gageあるいはgauge 計器、ゲージ
jewellery jewelry 宝石類
lead leash 犬をつなぐ革ひも
mum mom ママ、お母さん
moustache mustache 口ひげ
plough plow すき
programme program 計画、プログラム
pyjamas pajamasあるいはpyjamas パジャマ
sorbet
(発音も異なる。)
sherbet シャーベット
speciality
(発音も異なる。)
specialty 名物
storey story (建物の) 階層
sulphur sulfur 硫黄
toffee
(発音も異なる。)
taffy タフィー
tsar czar 皇帝
tyre tire タイヤ
whisky whiskey ウイスキー
woollen woolen 羊毛の

15.

(複合語と、ストレスのある接頭辞がつく場合。同一の母音字が続くことになる場合や語幹が大文字で始まる場合は、アメリカ英語においても通常ハイフンが用いられる(例、anti-British (反イギリスの)、pre-eminent (すばらしい))。
イギリス英語
ハイフンを用いる
アメリカ英語
一語にするか、二語のままにする
日本語訳
ash-tray
(イギリス英語でもashtrayが用いられる。)
ashtray 灰皿
book-keeper bookkeeper 簿記係
day-dream daydream 白日夢
flower-pot flower pot 植木鉢
note-paper note paper 便せん
co-operate cooperate 協同する
neo-classical neoclassical 新古典派の
pre-ignition preignition 過早点火
pseudo-intellectual pseudointellectual えせインテリの
ultra-modern ultramodern 超現代的な

16.

イギリス英語 
フランス語の発音区別符号を維持する
アメリカ英語
発音区別符号をつけない
日本語訳
café cafe コーヒー店
élite elite エリート
entrée entree (コース料理の)主菜
fête fete 祭り
fiancée fiancee フィアンセ

参考文献

Trudgill, Peter & Hannah, Jean (2008) International English-A guide to the varieties of Standard English (5th edition), Hodder Education.

Oxford Advanced Learner's Dictionary (8th) (2010)

Longman Dictionary of Contemporary English (5th)(2009)

開発者

監修:吉冨朝子(東京外国語大学)、研究協力者:川島(笹原)志保美

このページは、神田外語大学グローバル・コミュニケーション研究所研究プロジェクト助成金によるものです。